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音空間・音楽空間

「低音について」

スピ−カ−に 最大共振周波数−foという言葉があります
いろいろな周波数において そのスピ−カ−が最大振幅で振動する周波数のことを言いますが
それが そのスピ−カ−の再生可能な“低音限界”の目安とされています(あくまで目安です)

その最大振幅で振動する部分が コ−ン紙の最外周−エッジ部分です
低音域の音は主に このコ−ン紙の外周やエッジの振動によるものです
ここは適度な弾力性が必要で ウレタン、ラバ−、布などでつくられており
またウ−ハ−には めずらしいのですが コ−ン紙と一体のもので
薄くして弾力性を持たせているフィックスエッジもあります。
弾力性とともに 1番“丈夫さ”が必要なのが このエッジ部分です
そして エッジの“弾力性、材質、形状”が 低音の“音質”に大きく影響しています

布エッジやフィックスエッジでは よくダンプ剤(緩衝剤?)が塗られており
弾力性、丈夫さ をもたせるためと 異常共振や調和歪をなくすためですが
ダンプ剤の塗り方(厚い、薄い、範囲)でも 低音の“音質”は大きく変わってきます

最大共振周波数が同じ値でも、エッジの材質や形状によって
特性がfo付近で急激に上がるものと緩やかに上がるものがあり(尖鋭度)
それが低音の “豊かさ、レスポンス、硬さ、やわらかさ” に大きく影響しています
実際は foそのものよりfo付近の尖鋭度のほうが“音質”には重要かもしれません

foはコ−ン紙の“大きさ、重さ” エッジの“やわらかさ”できまるといわれます
大きいスピ−カ−やエッジのやわらかいスピ−カ−はfoが低いわけですが
ちなみに 直径が30cm−38cmのウ−ハ−でfoが30ヘルツ前後
20cm−25cmでは50ヘルツ前後のものが多いようです
そしてミュ−ジックの低音はいくら低くても70ヘルツあたりからそれ以上です

ボックスに入れると、foや尖鋭度は上がります
実際はボックスに入った状態で聞くのですから
スピ−カ−本体でのfoや尖鋭度はどれ位がいいのか 
“低音”に対する“好み”もありますので 一概には言えないものです

エッジ部分は年月を経ると、経時変化や劣化により 弾力性、丈夫さを失いがちです
ある意味では 最も経時変化に“もろい部分”であり“デリケ−ト”な部分かもしれません
聞いて、従来とその違いがわかるとしたら
1番わかりやすいのもエッジの異常ではないかと思います
従って 経時変化や劣化を判断するのに 役立つかもしれません