1月1日のくの字
 <Sabject:元朝参りなど、正月のこと>

 元朝参り、しましたか? 私は生まれてこの方、世間で言う様な元朝参りってしたことないのです。ご来光を拝むって事もしたことないの。日本人としてはどうかなぁって言われちゃうかもしれないけど、我が家にはそういう習慣がないんですもの。

 小さい頃は、休みになった途端に宿題と通知表と着替えを持って、父の実家に移送される、というのが慣例になっていました(要するに厄介払いされていた)。商売してたからだと思うんですけどね。なので、正月も当然のように父の実家で迎えていました。

 父の実家の正月は、元日の朝、みんな揃って、雑煮とアン餅と納豆餅と胡桃餅となますを食べ、氏神様にお供えをして、あとはの〜んびり過ごす(下戸の家系なものですから「お屠蘇」と言う習慣もないんですよねぇ)というものでした。

 氏神様は、庭の外れの大きな木の根元にある、小さな石積みでした。当主が米と塩とお神酒を供えて、感謝とお願いをするのです。小さな私は伯父にくっついて、その様子を傍で見ていたことが何度かあります。伯父はその行為を「元朝参りだ」と言っていたので、テレビで元朝参りの様子を見ても、ピンと来ませんでした。

 今は自宅で正月を迎えますが、氏神様にも行かないし(って言うか、自宅には氏神様なんてないし)、近くの神社に出かけようともしませんねぇ(^◇^;) 寒いのも、人ごみも嫌いなもので・・・こたつでボ〜ッとテレビ見てます。お年玉も貰えないしね(^_-)<☆

 そうそう、お年玉もね、年始のお客様からは直接頂きましたけど、ウチの人からは直では貰えませんでした。どうやって貰うかと言うと、これがね、ちょっとしたイベントになっているんです。

 朝食べる餅の中に仕掛けがあるんです。仕掛けがあるのはアン餅。だからアン餅は特別なお餅なのね。餅の中に「みずき」と言う木の小枝(長さ2センチくらいに切ってあり、木の皮を剥いだもの)が隠してあるんですよ。それが入っていると「当り!」(もちろん子供には満遍なく当るように大人が仕組むんですけどネ)。

 この小枝のことを「果報」と言います。そして正月のアン餅は「果報団子」と呼びます。団子じゃないんだけどね。

 その「果報」を半紙に包んで、名前を書いて、神棚に上げて拝むんです。「ちゃんと拝まないと神様に聞こえないぞ」なんて脅かされたりしながらね。そうしておくと次の日(つまり1月2日)に半紙を神棚からおろすと、中にお金が入っているのです。神様からのお年玉って訳です。

 アンコの苦手な子供だった私は「果報」欲しさに泣きながらアン餅を食べたものです。アハハ、今となっては懐かしいですねぇ。

 こんな正月を過ごしている人って、他にもいらっしゃいますかねぇ? ウチだけ? 

 

 

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