[ぽ]-10

 <Sabject:いちのせき弁講座から(5)>

 

今回は「がおる」です。「疲れた」とか「参ったぁ」とかって感じですね。

これはかなりてこずりました。古語辞典にも国語辞典にも広辞苑にもな〜んにも手懸りがなかったんですよ。正直、途方にくれました。で、こんな時、力強いのがインターネット。グーグルで検索かけてみたら出て来るは出て来るは・・・北海道&東北で結構広く使われているみたいです。ただ北海道では「やつれて見える」と言う使い方らしく、微妙にニュアンスが違ってましたけど。

「がおる」を扱ったページはたくさん見つかったんだけど、どのコンテンツを見ても、語源ついては「?」なのね。「我を折る」から来てるんじゃないかって書いてる人もいたけど、意味から考えてそれは無理だと私は思ったのよ。かなり長い時間をかけて辞書を繰り返し調べて、挫折して・・・

発想を変えてみました。いつもは「音」を頼りに色々調べるんだけど、意味を考えてみようと。「疲れた」時、他に何と言うか・・・「くたびれた」と言いませんか?

さて、くたびれたを漢字にすると「草臥れた」です。この字を見た時「ハッ」と閃いたんです。この「臥」という字、「ガ」ですよね。倒れる、横たわると言う意味の字です。ここからは私の推測で、何の根拠もない話なのですが、もし「がおる」が「臥居る」だったら、意味も音もピッタリ!だと思いませんか?

<おまけ>
今時は「疲れた」時に「がおる」より「こえ〜」とか「こわい」の方がポピュラーに使われているんですが、この「こわい」、「恐い or 怖い」ではなくて「強い」です。(「つよい」ではありません、念のため)「つよい、かたい、きびしい」という意味です。

昔はお江戸でも当たり前に使われていたようですが、今残っているのは「こわもて(強面)」とか「おこわ(餅米を蒸したもの)」など、極僅かです。


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