[ぽ]-03
 <Sabject:「きゃっぱり」の音が可愛い>
 

 「きゃっぱり」または「きゃっぽり」。これも標準語にはないよなぁ。雨上がりの水たまりとか、川の浅瀬とか、海の波打ち際とか、とにかく水がらみの場所で、うっかり「靴に水が(大量に)入ってしまった」時、「きゃっぱりくった!」と叫ぶんです。ここよりちょっと北の方(水沢辺り)では「きゃっぽりとった」と言うそうです。(余談ですが、「きゃっぱりくった」時の擬音は是非「ズブォッ」!でお願いします。水が入った靴のまま歩く時の擬音は「クッチャン、グッチュン」がいいなぁ)

 「きゃっぱりくった!」って音だけ聞いてたら可愛い言葉だと思いませんか?(状況としては「苦笑い」ですが)

 外資系の会社に務めていた知人(水沢出身)が、上司(外国語堪能、奥さんフランス人)に「きゃっぽりとった」はどう聞いても日本語の音ではない、ぜ〜ったい日本語じゃない!と断じられたとか。

 他にも「ばっきゃ(ふきのとう)」「きゃっちょなぎ(けんけん)」「びっき(かえる)」「すっぱね(雨の日に歩くと自分で跳ね上げてしまう泥水のこと)」「まっこ(うま)」「べごっこ(うし)」など、音の可愛い(と言うか、ひょうきんな)言葉がたくさんあります。

 母音を曖昧にするせいか、拗音とか撥音とかが多いんじゃないかと思うんですね。単語だけでなく語尾にも「〜だすっぺ」「〜だっけっちゃ」「〜やっぺ」「だがらっしょ」なんていう弾むような音があるんですよねぇ。

 単に音だけ(文字面だけ)見ると弾みそうなのに、実際聞いていると重た〜く感じるのは濁音が多いのと発声(共鳴)のせいじゃないかと思うのですよ(独断)。口の開きが少ないので、口の中の共鳴腔が平ベったい感じの共鳴をさせている人が多いと感じます。ちゃんと調べた訳ではないけれど、共鳴のメインポジションも関東南部に比べると下方にあるみたいだし(関東南部は鼻の後ろ当り、東北は喉の後ろ当り、って感じかな?)。

 それとね、可愛いと言う点でみると、物に「〜っこ」をつけて言う習慣(?)があるでしょう。「まっこ」「べごっこ」の他にも「わらすっこ」「風っこ」「花っこ」「鳥っこ」「鎌っこ」「鍋っこ」「服っこ」「茶碗こ」・・・動物、子供、自然、日用品、なんでも「〜っこ」が付いてしまう。東北人は案外『可愛い物好き』なロマンチストが多いんじゃないかなぁ・・・なんてニヤニヤしているぽーにゃん@だったりします。

 


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