4.「美しい傷跡」

ほどけた水の糸の片方を遠くに見つめて 立ちつくす今
胸の中に時が満ちていく

そっと歩み寄った淡い影は
ほんの少しだけ悲しい瞳で消えてしまったけど

いつまでも消えることは無いだろう
一粒の乾いた涙の跡
追いかけていた 振り向くはずの無い小さな幻を
分かってる  ただ私の隙間に吹く風が少し冷たいだけ

塞がった傷をなでる優しい感触が 全身に行き渡る

来るべき時が満ちて
そのままゆっくり ゆっくりと沈んでいく

流れ去っていくまだ色褪せない絶え間ない記憶
私を通り抜けて もっと遠く遠く どこまでも

そう これから築いていく私の軌跡にあなたの足跡は無いけど
限りなく黒に近い藍色の中で 鮮明に光放つ星に見たてて
そっと微笑んでいる・・・

『ほどけた水の糸の片方は光の粒になり消えていった。
もうそれでいいと思っている。
ただ、目を閉じていたい。』