8.「人間」

なめらかな地盤に沈んでいく
空も土も海もあなたも
だから僕は沈黙を受け入れ
視界を断ち切る

血色に滲んだ全てが 一つになる
『マタタイテ・・・』

僕らが手をのばす場所はいつもなぜか あたたかくて
その心地よさに身を任せ 真空に漂う
広がる藍色の下で
乾いた空の下で・・・

もうどれくらい景色と一つになっているのか
体の中心から淡い温度が僕を包み込む
虚空とかすかな振動と
あなたさえ居れば 満たされる

時間はいらない
全ての概念は一つになる
『ササヤイテ・・・』

僕の脳の中で確かに木霊する
やさしく枯れてゆく あなたの声
ざわめきの中そっと両手ですくい上げた不透明な水に
映し出されたあなたの横顔は
それでも遠くを見ていた・・・