平成22年11月「北の盆」No102 掲載 ●●●●

若手蔵元「NEXT5」の挑戦 従来の酒超えたい

  県内の若手蔵元5人でつくる「NEXT5(ネクストファイブ)」が2日開始した新たな日本酒造り。各蔵元の技術を持ち寄り、従来の日本酒のイメージを超えた新しい酒を目指している。NEXT5は、秋田醸造(秋田市)の小林忠彦社長、山本(八峰町)の山本友文常務、栗林酒造店(美郷町)の栗林直章専務、福禄寿酒造(五城目町)の渡邉康衛常務、新政酒造(秋田市)の佐藤祐輔専務で構成。酒造りは、メンバーがリレー形式で作業を分担する。
 本年度の共同醸造する日本酒の商品名は、「The Beginning 2010 (ザ・ビギニング)」で、 若手蔵元集団「NEXT5」の誕生と、新世代の日本酒の始まりを高らかに謳いあげる意味合いが込められています。
「ザ・ビギニング2010」の原料には、酒米「秋田酒こまち」や美郷町六郷の湧き水を使用。2日は新政酒造で酒母の仕込みが行われ、秋田醸造の小林社長らが酵母と麹、水を入れたタンクに蒸したコメを投入し、「かい棒」と呼ばれる木製のへらでかき混ぜた。 今後12日〜14日に「白瀑」山本常務による麹造り、15日春霞醸造元にて、六郷湧水の採取、16日〜17日に「一白水成」渡邉常務による原料処理ならびに蒸し作業、17日午後より「春霞」栗林専務による仕込み作業で仕込み完成。18日から「新政」佐藤専務によるもろみの管理が始まり、12月16日完成予定。
 発売は、シャンパンやワインの需要が多いクリスマス24日を予定している。代表を務める小林社長は「さわやかな香りとやや強めの酸味が特徴となる。白ワインに負けない味わいを目指し、普段日本酒を飲まない人にも楽しんでもらいたい」と話す。 新政酒造の佐藤専務は、「今までの日本酒のイメージを打ち砕き、誰にでもおいしく飲んでもらえる酒にする」と意気込んでいた。
 次代を担う若手蔵元が力を合わせて醸す新酒に、期待が膨らむばかりです!!
「NEXT5 The Biginning 2010<ネクスト・ファイブ ビギニング2010> 
生酒 500ml 」は、税込1,500円で県内2,000本出荷の予定です。
 ※完全予約販売となりますので、ご希望の方はお早めにご予約下さい。
予約希望の方はメールでご連絡下さい。

平成22年9月「北の盆」No101 掲載 ●●●●

失われた10年

 「失われた10年」が20年へと長引く中、日本はいまだに長期デフレ経済から脱出することができない。そのデフレに追い打ちをかける円高、国家ビジョンも国家戦略も見えない政権与党内の権力闘争、長寿社会を素直に喜べない高齢者の孤独死などなど。日本全体がうつむき加減で、政治も経済も社会も明るさを見いだし得ないでいるように見える。
わが秋田県も、47都道府県の比較で、元気の出ない指標が目立つ。人口減少率、自殺率、 がん死亡率等で全国ワーストを続けている。そんな中、「日本は世界第五位の農業大国」(浅川芳裕著・講談社)という新書が売れている。世界各国の農業生産額の順位は、1位中国、 2位アメリカ、3位インド、4位ブラジル、5位日本、6位フランスと続く。著者の主張は、日本人はカロリーベースの食料自給率(40%)の数字に惑わされて日本農業の実力を見失っている。農林水産省の陰謀にまんまと乗せられている−というものだ。人口減少と少子高齢化が進行する中で、摂取しなければならないカロリーの量がそもそも減っている。さらに、食生活の変化に伴って低カロリー食材の需要が高まって、その影響で主食の米の需要は減退し、減反を余儀なくされている。農業人口の減少も、農業の生産性が高まった成果と考えるべきであり、「農業人口減少イコール農業衰退」の幻想を抱かせてはならない。さらに著者は、「農業は成長産業」が今や世界の常識と説く。農業は「世界の人類」という広い顧客層を持っている。農産物貿易額は順調に伸びており、特に2000年以降顕著である。意外にも増えているのがEUであり、新興4カ国の3倍近い伸びを示している。EUでは圏内の経済や交易の自由化により、豊かな食生活を競い合う食品産業の発展を背景にした農業ビジネスが活性化しているという。かつては日本と同レベルであった輸出額は、この40年間でイギリスが200倍、ドイツが70倍増えている。日本はわずか9.5倍である。これは国内顧客に依存し、海外顧客の開拓を行ってこなかったツケだと著者は指摘している。農業をめぐる課題はもちろん多い。しかしながら保護政策一本で考えては、伸びる力を抑え込んでしまうことになりかねない。農業県である秋田県も、国内ばかりに目を奪われるのではなく、海外への視点が特に重要である。日本農業は安全・安心であることに加え、質が高いと海外が評価している。輸出への傾向を強めるにあたり、1次産品に食品加工というプロセスを加えて、付加価値を高める努力も必要であろう。不透明な海外へ挑戦 する気骨ある企業家や団体の輩出を期待し、それを促す環境整備を行政に強く要望したい。

平成22年7月「北の盆」No100 掲載 ●●●●

秋田県内でも6月から

 秋田県内でも6月から「子ども手当」の給付がスタートした。この手当にはまだ賛否両論がある。 今年は予定の金額の半分が給付されることになったが、もう半分は霧の中。気持ちはあっても現実(予算) がついてこない状況のようだ…。そもそもこの手当はどんな趣旨で設けられたのか。 厚生労働省の説明を簡単にまとめると@先進国の中でも日本は最低の予算  A次代を担う子どもの育ちを社会全体で応援する  B少子化が進んでいるので安心して子どもを育てる環境づくりが課題  C子育てにはお金がかかる  D子育ては未来への投資 ― ということである。 いかにももっともらしい。しかし、よく考えてみれば子どもを安心して育てられる社会環境の最も重要な 点は「親の環境の安定」であり、親が手当をもらわなくても子どもを育てられるくらいの収入がある 事が大切ではないか。人がきちんと生きられない世の中のどこが安心した子育ての環境になるのか。 いま大変だから、目の前の大変さを少し緩和するために根本的な問題を解決しない代わりに手当とい うドラッグを処方して、まずはそれで痛みを和らげ少しばかりの環境改善のようなものに予算をつけ る。それを享受させながら結局抜本的改革はしない。それから目がさめれば別のつらい現実があり、 今度は別な手当が必要になる。「自分たちで何とかしてね」というこの方法を様々なもっともらしい 言葉で理屈付けしたのだ。厚労省の説明に反論すれば@予算は先進国の中で低いのは問題かもしれないが、 社会の仕組みが異なるのだから単純比較は出来ない。A、B少子化は子どもを産み育てる生活基盤が できないから。C子育てにお金がかかるのは昔も今も変わらない。社会全体で応援するつもりなら抜本的 改革のグランドデザインを示すべきだ。お金を出すことが社会全体で応援することではなく、あくまで も一部にすぎない。子どもを預けること一つにしても、場所を増やすことだけに終始しているがそれは 問題の一部であって、時間の問題、病児の問題、学童の問題、片親が会社を辞めずに時間調整できる職場 がどれくらいあるか、対処や設置エリアの地域格差ーなどいろいろある。社会構築にかかる予算と環境づ くりを創意工夫するのは大変だが直接給付は簡単だ。また、実際に受給者が手当を子どものために使うに は、お金を蓄えておける余裕が必要である。またはギリギリでも何とか暮らせる程度の環境や、困った時 に相談できる、助けてくれる人の手があるーなど最低限の環境が必要だがそれすらままならない人も いる。本当に子育てに直接給付が必要なのか、いま一度考えてみることが必要ではないか。

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